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櫓と梵天 [風景]

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ここは、京都の南座。
年末の顔見せのまねきは師走のシンボル。
この屋根のところにある赤い幕の部分が「櫓(やぐら)」。

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もともと櫓は、武器庫である「矢倉」と「神の座」が一緒になったもの。
櫓が興行のしるしとして重要視されることとなったのは、江戸時代。
幕府官許の小屋だけが興行権を持つことができるようになってからなんです。

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興行権を「櫓権」、興行を開始することを「櫓をあげる」 といい、興行を知らせる櫓太鼓の風習は、相撲の世界に残っている。

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歌舞伎座では、顔見世公演のとき櫓があがるが、南座では、劇場の紋を染めた幕を張りめぐらし、梵天(ぼんてん)を立てた櫓が、年を通して正面の屋根に飾られて、芝居小屋の権威と伝統を語りかけている。南座の堂々たる櫓は、興行のシンボルと同時に、神のおわします祇園のシンボル。

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この丸いものが梵天です。梵天は悪い魔を祓う幣束。
櫓に紙の幣や梵天を高々とあげ、天から神を請来し、神の座にとどまって、人々と共に舞台をご覧いただくための依代(よりしろ)なんです。
神社の神楽殿では巫女の少女たちが舞を上演するが、櫓に神を迎えて舞台で役者が芝居を演じるのは、同じことだろうな。
※依代/神道用語で神霊が降臨する際の媒体。白い布であったり、山車だった、松の枝だったり、銅鏡だったり、人だったりする。

Twitter→@kyo_otoko
タグ:南座 京都
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