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オとサン [京ことば]

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自分自身でも思うけど、京都のことばってなよなよした印象がある。
女性ならまだしも男性でもみょうになよっとして聞こえる。
代表的なのが「オとサン」です。
接頭敬語の「オ」と接尾敬語の「サン」が多いことでしょう。

「サン」にも二つの種類がある。
御所的な「サン」。例えば「皇后サン」のような使い方。
一般の町で用いられる「サン」もある。自然崇拝的にも使われる。太陽を「おひーサン」「にちりんサン」、月を「おつきサン」、神仏を「まんまんサン」、愛宕山から吹く風を「あたごサン」、比叡山から吹く風を「ひえーサン」のように用いる。
庶民的な用い方として、赤ん坊のことを「ややサン」、女中(死語かも)のことを「おなごしサン」、僧侶のことを「おっサン」、托鉢僧「おーサン」、大丸百貨店「だいまるさん」

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食べ物も多い。
「オまめサン(豆)」「オいもサン(芋・焼き芋)」「オたまサン(卵)」「あめサン(飴)」「オいなりサン(稲荷寿司」「ふーサン(麩)」「オあげサン(油揚げ)」「オかき(かき餅)」「オしたじ(醤油)」「オしょい(醤油)」「オかしん(菓子)」「オまん(饅頭)」「オぶ(お茶)」
「うんこサン(大便)」でも小便は低く見ているのか「オしっこサン」とは言わない。

食べ物以外では
「オこた(炬燵)」「オよーじ(便所)」「オいえ(居間)」

挨拶
「オはようーサンどす(おはようございます)」
事始めの時に「オことーサンどす」

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↑フーサン。このフーサン実は焼きたてなんです。焼きたてのフーサンなんて食べたことないでしょ。それもこのまま何も付けずにね。結構、香ばしくて美味しいのです。味も焼きたての方がしみやすい。因みに鯉用のものは、密度が濃く、水につけてもバラバラになり難くなっています。味は同じかな。
京男は、小さい時、すき焼きで食べられるものがフーサンだけだった。母方の実家に行くと小さな池があり、鯉に餌をやっていた。その餌がふーさんだった。鯉にやりながら「ボクは鯉と一緒やなぁ・・・」と思っておりました。いま思うと、フーサンは、お肉や野菜のエッセンスを吸う偉い存在と気づきました。お腹も膨れるし。小さい時は、自分の偏食が故にいつも空腹状態だった。あれはなんだったのか。
前生で山で修行していた行者かなにかだったのかも。
鯉の餌で思い出した。半兵衛麩でむしやしないを食べさせてくれる。よく麸饅頭を買いに行ってたんです。あそこでむしやしないを食べるお客さんは、大抵オバハンが多い。それも群れてくる。服装が派手な感じの人が多い。そこで私が京女に「さくが半兵衛麩さんは麩専門店やね。錦鯉みたいな体型と色合いのオバハンがゾロゾロでてきよる※」これは、京女にうけました。
※最後の「ヨル」というのが卑語法というやつです。京都人同士の会話でよくでてくる。

それから畳語(同じ単語を繰り返す)表現も多い。
例/「アツアツなってきたなぁ」「キツキツ言うなぁ」「サムサムなった」「秋刀魚がタコタコなった」「ヨイヨイする(子供に散歩に行こうと言う時)」「ポンポンが痛いんか?(お腹が痛いの?)」

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きっとまだまだあると思います。
自分達で気付いていないけど、他府県から見ると変な表現をしている場合があります。
喋っている内に、この人は京都のお人やなぁとわかります。
こうやって他府県の人間とくべつしているかも。
元京の台所錦市場で観光客を装って父親と試食しまくっても、会話をしていると京都人とバレテしまうんですわ。
イントネーションも違うしね。最近、京都の子供でも教育影響で変なイントネーションの子供が多くなってきました。
テレビで同じようなイントネーションを聞くととても気持悪い。

こんなことを書き出したらきりがないかも。

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  • 作者: 中村 肇
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Twitter→@kyo_otoko
タグ:京都 ことば
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ソニックマイヅル

おはようございます。麩もふーさんなんですね。大好物です。カレーの段階的な仕込み方法、有難うございました。実践してみます。^^;
by ソニックマイヅル (2016-05-14 08:42) 

京男

>ソニックマイヅルさん、おはようございます。
カレー粉、近年の使い方は、ココナッツオイルやオリーブオイルで唐辛子を弱火で煮て辛味を抽出、その時、大蒜を軽く潰して油で煮ます。大蒜は、いい色になったら取り出します。焦げるので。その油を使います。肉には塩胡椒をしてカレー粉をふりかけます。それを炒めます。
by 京男 (2016-05-14 08:56) 

せつこ

なるほど、はるほど、オとサン、教えていただいたらそう感じます。
by せつこ (2016-05-15 08:04) 

京男

>せつこさん、おはようございます。
京都人の原点は、宮中だったのでしょうね。憧れの言葉を真似したのでしょう。京都のことばで有名なのは花街の言葉ですが、あれはいっぱんの人の言葉ではないのです。調べると面白い。でもだんだん使われなくなってきています。
by 京男 (2016-05-15 08:14) 

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