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郷土料理ねぇ [洛外・食]

先々週だったかな?
焼鯖素麺(やきさばそうめん)を食べようと思った。
思うとすぐに動くのが最近の京男。
場所が滋賀県の長浜市なんです。京都市内から結構遠い。車ならそうでもないのかな?以前行ったことはあるけど、焼鯖素麺は食べたことがない。私がそんなものを食べる訳がない。
鯖は食べるのですが、必ず胸が焼ける。
素麺というのは、あまり好きじゃない。
写真を見ると素麺の上に鯖がのっているだけだし。

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↑お店は「翼果楼 ( よかろう )」、2階の部屋はこんな感じ。私には辛い座敷。私は人工股関節なのであぶらがかけないのです。

でも食べたこともないのでは、話しにならない。
鯖は、今井食堂の鯖煮は結構好きかも。
そういえば今井食堂は、持ち帰りだけになっていたな・・・。
わざわざ買いに行ってまでは食べようと思わない。
鯖ってそういう食品。
鯖寿司もたまに食べたくなるけど、「いづう」と二、三の寿司屋のものは食べる。
一本は無理。絶対胸が焼ける。アレルギーではないけど。

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↑お千代膳、焼鯖寿司付

京都市内では、祭りの時、親戚や近所の人におこわ(赤飯)と鯖寿司を配る習慣がありました。だから鯖寿司が行き来する。祭りの時、鯖寿司が家に集まる。それを食べさされるのが辛かった。
鯖の皮の表面の白と青の柄が好きでなかった。皮のついてない部分を食べていた。

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↑これが「焼鯖そうめん」汁がないのです。変でしょ。

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昔は、いまと違い、冷蔵技術が発達してなかったのです。魚は、鯉や鮒、泥鰌ぐらい、後は鱧ぐらいだった。鱧は食卓によく上がって来た。といっても鱧を梅肉で食べるなんてことではない。鱧の鰻のように焼いて売っていた。それを母親が買って来てキュウリと鱧で酢の物にしていた。子供としては、あれが嫌いだった。「鰻ざく」なら美味しいのですが、鱧をつかった「鰻ざく」モドキは嫌でした。母親が好きだったのかよく出た。青唐辛子とジャコの炊いたんもよく食卓にあがった。きっと母親の好物だったのだろう。母が亡くなってから父と食事をしていて、青唐辛子とジャコの炊いたんを食べないの?と聞くと「嫌い」と行った。そうなんだ嫌いだったんだ。実家において母親に逆らったらえらいことになるので、食べていたらしい。そうだったんだ。

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↑これは、鮒寿司。注文した時、店員さんが「あんた大丈夫?」という表情をした。

京女の実家では、義父が鱧を好きで、毎日食べていたらしい。御出入りの魚屋や寿司屋があり、冬は蟹、夏は鱧で晩酌だったそうです。鮒寿司なんかも結構食卓に上っていたらしい。酒飲みの家庭とそうでない家庭の差かな・・・。
京女は、末娘で義父が晩酌をしている時、つまみを食べていたらしい。鮒寿司も卵だけ食べていたらしい。でもお酒は飲まなくはないけど、ほとんど呑まない。
京女の育った家庭は、お祖父さんやお祖母さんが一緒だったから習慣がかなり違う。
京男の実家は、高齢者と一緒に暮らしていなかった。だから我が両親は介護経験がないのです。幸せな人たちでした。

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↑焼鯖寿司、これなら胸が焼けない。

さて、焼鯖素麺の話にもどります。
なにかの拍子に食べたくなった。
なんだろう?
しかも鯖を食べると蕁麻疹は出ないけど、胸焼けを起こすのです。
素麺だって、それほど好きなものでもない。
ただ、焼鯖と素麺の出会いが不思議で、経験したことがないのです。
だから食べてみたかった。

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焼鯖素麺・・・焼き鯖そうめんと表示する場合もある。
滋賀県長浜市周辺の湖北地方に伝わる郷土料理なんです。
農繁期である5月に、農家へ嫁いだ娘を持つ親が忙しい娘を気遣い、実家から嫁ぎ先に焼鯖を届ける「五月見舞い」という湖北地方の習慣に由来する。農繁期に気軽に作って食べられる料理として、また客をもてなす際や冠婚葬祭などのハレの料理として食べられてきた。湖北地方は内陸に位置するが、鯖の産地である若狭湾に近いため、焼鯖やなれずし、へしこなど、鯖を使った料理は身近な存在であった。焼鯖と素麺を組み合わせるようになったのは昭和40年代頃からとされる。なお、鯖街道が通る高島市朽木地区でも、焼鯖素麺は祭りに欠かせない料理として食べられている。
そうなんだ。
そりゃ私が生まれ育った京都市内ではないはずです。
滋賀県は、こういう食べ物を観光資源としてPRにつとめている。

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↑赤こんにゃくの田楽

京都市内では、そういう食べ物は少ないかも。
確かに鯖寿司はある。でもあの値段では、ちょっと簡単に食べられない。
「いもぼう」なんかはどうだろう?海老芋と棒鱈を炊いた料理。
そういえば、最近食べたことがない。
鯰料理なんてのもあったな。お店はもうないかも。行っといたらよかった。
懐石料理なんかはどうやろ・・・あれは郷土料理でもなさそう。
どうしても京都市内でないといけない食べ物・・・焼肉、ホルオン焼、ラーメン、海鮮丼、親子丼・・・そんなのは京都市独特の食べ物でもないな・・・。
最近、京都らしい食べ物がすくないかも。
観光というけど、食べ物では特徴がないかも。コロナですっかり小さな店がなくなったしね。

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↑べつに辛くありません。

街並みの作り方も京都はだめだし・・・。
困ったものです。

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滋賀県でも琵琶湖特有の魚が外来種により、少なくなってきている。
鮒寿司だって鮒が少なくなったら困るだろうな。
そのうち、鮒でなくブラックバスで作るようになったりしてね。

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↑高山あたりの雰囲気がする

そうそうこの焼鯖素麺や焼鯖寿司を食べて、どうだったか?
焼鯖素麺の作り方は、焼鯖を甘辛い出汁で柔らかくなるまで煮込む。
その煮汁で素麺を煮る。素麺の上に焼鯖を乗せる。これだけです。
焼鯖を煮るから脂分が少なくなるから、胸焼けはしない。
焼鯖寿司も普通の鯖寿司と違い、脂分がない。だからこれも胸焼けしないのです。
目出度し目出度し。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
タグ:洛外
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