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懸想文 [社寺]

懸想文(けそうぶみ)ってご存知ですか?
三省堂大辞林には、このように書いてあります。
1.恋慕の情を書きつづった手紙。恋文。艶書(えんしよ)。
2.近世、正月に京都の町などで売られたお札。艶書に似せて、縁起を祝う文句が書いてある。 [季] 新年。
「懸想」って、「思いをかけること」「恋い慕うこと」。今も昔も人間のすることは同じですね。

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↑須賀神社

本日登場するのは、須賀神社の「懸想文売り」。このブログでは、年に一度ぐらいでてきます。

季語「懸想文売」があります。本来艶書を意味したが、良縁、夫婦和合、商売繁盛等の ご利益もあるとされる。元禄のころ、元日の朝から十五日まで、 赤い袴に立鳥帽子、白覆面といういでたちで京の町を売り歩いた が、その後すたれた。

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↑懸想文売り

どうやらラブレーを相手に届けてくれる人ではないようです。
昔ってどうやってコミュニケーションしたんだろう?教養のある人は、和歌なんかを相手にそっと渡したりしたのかな?そてとも矢文を打ち込んだり・・・それはないか。

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ラブレターって面白いですね。夜書くとだんだん興奮してしまう。翌朝見ると恥ずかしくなって出せないなんてことが多かった。企画書なんかもそうだけど、夜はあまり考えたらあかんのかも。
私は、夜明けとともに浮かぶアイデアが昼間に耐えられると思います。夜って良くも悪くも集中してしまうのでしょうね。

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↑領収書は出ないけど、お釣りはどうなんだろう?

昔、京の貴族は、恋文の代筆をしていたらしいのです。もちろん貴族同士の恋文なんだろうけど・・・だって庶民は文字が読めない人が多かったと思われます。恋の和歌を送られてもねぇ・・・。貴族でも和歌が得意な人とそうでない人もいただろう。女性だってそうです。それより夜這いの方が早いのかな?

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今は、便利になりましたね。メールかラインで相手に届く。まあ、効果はどうかわかりませんけどね。京男の時代は、携帯電話なんてのもなかった。公衆電話と有線電話だけ。相手に電話をかけても、本人かどうかわからない。話していて「母です」とかだったりする。しかも電話って貴重品?だったから、玄関や茶の間にあったりする。ヒソヒソ話なんてできない。ラブレターなんてのもあるけど、字が下手というハンデを抱えていた。
今は、いい時代になりましたね。

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↑一年ぐらいが有効期限なんやろか?

この須賀神社の「懸想文売り」は、やらしい書を売っているのでなく、神社のお守りとして有料で配っておられるようです。
これは、2月2日と3日の限定なんです。
この「懸想文御札」をタンスの置くに入れて置くと「良縁が授かる」「(それなりの)美人になる」「着物が増える」なんて効果があるらしい。男が買ってもあまり意味がないのかなぇ・・・。

そういえばいつかこれを手に入れた時「領収書はもらえますか?」と言ったことを憶えている。答えは「でません」だった。そりゃそうだよね。
でも100部欲しいとか言ったら、くれるのかな?

和菓子

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  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
タグ:社寺 京都
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