ひちぎり [風景・和菓子]
↑下鴨神社「流し雛」
本日は「雛祭り」ですね。
我が家の場合、あまりやってこなかったかも。
今年は、新型コロナ騒動で開催しないイベントも多いでしょうね。
京都市内で雛祭りの時は、「ひちぎり(引千切)」という和菓子がでてきます。
宮中で人出が足りない時に餅を丸める手間を惜しんで引きちぎったのが始まりなんだそうです。
でも、お餅を丸めるぐらいやったらいいと思うけどな。その餅の上に餡をのせたのが原形らしい。あまり美しい形とはいえませんね。
可愛くないし・・・。昔は可愛いと思ったのかな?
↑二條若狭屋「ひちぎり」
甘い餡って、いつぐらいからあったかわかりますか?
調べると室町時代ぐらいかららしいのです。室町時代に砂糖が輸入品として日本に入ってきて、小豆と合わさり粒あんやこしあんが出来上がったのです。
それまで日本で甘味というと、干し柿の粉の部分、蜂蜜、甘酒、甘葛煎(あまずらせん)ぐらいで、餡には使えなかった。
だから室町時代以上に「ひちぎり(引千切)」は、あったのでしょうね。
当然、庶民は、知らなかったでしょうね。
有平糖だってきっと特権階級が食していたのでしょう。
それから考えたら、現在のわれわれはすごい贅沢な暮らしをしていることになりますね。
↑こなしきんとん、黒こしあん
国産で砂糖が作られるようになったのは、江戸時代になってからなんです。
もし現代人が平安時代に旅行したら、あまり美味しくない生活で嫌になるでしょうね。でも案外庶民は、焼き鳥とか焼肉なんかを食べていたかも。
貴族階級になればなるほど、ビタミン不足だったかもしれません。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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