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今宮神社2・・・狛犬と天邪鬼 [社寺]

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さて楼門から神社の境内に入ります。
いつもは、まずあぶり餅の所に行き、一人前食べ、それから脇の東門から境内に入るということをしていた。
車で人をご案内する場合もそうだ。いけませんね。

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↑阿形の狛犬

今回は、楼門から入りました。
やはり楼門から入る方が景色がいいようです。
当たり前のことですが・・・。

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暫く歩くと狛犬が見えてきます。
口を開いているのが阿形の狛犬。
口を閉じているのが吽形の狛犬。
阿形は、始まり。吽形は、終わりを表す。
人間も生まれる時は「阿(あ)」で、死ぬ時は「吽(うん)」で終わる。
かならずしも阿吽でいくとは限らないけど・・・。
そんなものだと考えてください。
阿形と吽形の間が人間の人生を表現しているらしい。
その生きている間に、有象無象の邪気が着く。それを間を通り神仏に面会するわけです。だから清めるという意味。
お寺の門の阿吽の仁王も同じような意味。
でも門の中にで働いている僧侶が邪気だらけではどうしようもないけど・・・。

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「阿吽の呼吸」というのがある。
ちょっと前までの日本人が得意としていたコミュニケーションね。
言葉でなく以心伝心でわかり合うという高度な方法。
同じ三次元に生きる生き物同士という概念なんだろうか。
きっとこの「阿吽の呼吸」が復活するような気がしますね。それができればネットなんてのも必要なくなる。ネットって原始的な方法で、情報量がそれほど多くないしね。AIなんてのもだめですね。
これからの課題。

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さて狛犬の話にもどります。
今宮神社のこの狛犬は変わっています。
なにが?
狛犬の台座を天邪鬼(あまのじゃく)が支えている点です。

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天邪鬼とは?
京男の性格を表す言葉ではありません。
仏教では、人間の煩悩を表す象徴なんです。
人の心の奥底に潜む煩悩ということかな。
だから狛犬は、お参りする人間の奥底の天邪鬼や邪気※に「ここから先は通るな」と警告しているのかも。
※邪気と邪鬼/「邪鬼」は「鬼」という字が使われているように怨霊・もののけ・鬼など、英語でいうところのモンスターを意味します。目に見える場合があります。一方「邪気」は「気」という字が示すように、見られない「悪い気」、「人を不幸にする悪意」などを示します。

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↑吽形の狛犬

仏教では人間の煩悩を表す象徴として、四天王や執金剛神に踏みつけられている悪鬼、また四天王の一である毘沙門天像の鎧の腹部にある鬼面とも称されるが、これは鬼面の鬼が中国の河伯(かはく)という水鬼に由来するものであり、同じく中国の水鬼である海若(かいじゃく)が「あまのじゃく」と訓読されるので、日本古来の天邪鬼と習合され、足下の鬼類をも指して言うようになった。

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日本古来の天邪鬼は、記紀にある天稚彦(アメノワカヒコ)や女神天探女(アメノサグメ)に由来する。天稚彦は葦原中国を平定するために天照大神によって遣わされたが、務めを忘れて大国主神の娘を妻として8年も経って戻らなかった。そこで次に雉名鳴女を使者として天稚彦の下へ遣わすが、天稚彦は仕えていた天探女から告げられて雉名鳴女を矢で射殺する。しかし、その矢が天から射返され、天稚彦自身も死んでしまう。

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天探女はその名が表すように、天の動きや未来、人の心などを探ることができるシャーマン的な存在とされており、この説話が後に、人の心を読み取って反対に悪戯をしかける小鬼へと変化していった。本来、天探女は悪者ではなかったが天稚彦に告げ口をしたということから、天の邪魔をする鬼、つまり天邪鬼となったと言われる。また、「天稚彦」は「天若彦」や「天若日子」とも書かれるため、仏教また中国由来の「海若」と習合されるようになったものと考えられている。

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この天邪鬼、お寺の屋根を支えていたり、仁王さんに踏まれていたり、いろいろなところで見かけます。
私たちの人間って一皮剥けば、天邪鬼的要素だらけかも。
でもそういう存在がいるから世界は成り立つ。
何かの役に立っているのでしょうね。
表情を見ていても、それほど邪悪な雰囲気でないしね。愛嬌ある力持ちなのかも。

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天邪鬼、またの名は「邪鬼(じゃき)」まあ、持ち上げているからJack(じゃっき)でもいいのかな?
無邪気、なんてのもありますね。
天邪鬼の替わりに贔屓にしたらどうやろ?小さな贔屓君って可愛いかも。

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タグ:京都 社寺
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