一声 [和菓子]
「鶴の一声」とか「社長の一声」でもありません。
この場合は、ホトトギスの一声(いっせい)。
ホトトギスは古来日本でさまざまな文書に登場する。
漢字も杜鵑、時鳥、子規、不如帰、杜宇、蜀魂、田鵑など、
漢字表記や異名も多い。
大きさは、28センチぐらいでヒヨドリよりもちょっと大きい。
少し前夜明けの頃によく鳴いていた。
他に鳥が鳴いていないからよく目立つ。
夜に突然鳴くこともあるそうです。
江戸時代に「厠(かわや=トイレ)の中にいるときにホトトギスの声を聞くと不吉だという迷信もある。
夏目漱石が西園寺公望におくった有名な俳句
「時鳥(ほととぎす)厠(かわや)半(なか)ばに出かねたり」
というのがあるぐらいなんです。
このホトトギスは、天下人と関係でよく言われますね。
「なかぬなら殺してしまへ時鳥 織田右府」(織田信長)
→この句は、織田信長の短気さと気難しさを表現している。
「鳴かずともなかして見せふ杜鵑 豊太閤」(豊臣秀吉)
→この句は、豊臣秀吉の好奇心旺盛なひとたらしぶりを表現している。
「なかぬなら鳴まで待よ郭公 大權現様」(徳川家康)
→この句は、徳川家康の忍耐強さを表している。
フィギュアスケート選手の織田信成はテレビ番組のインタビューで、
信長を詠んだ句への返句として
「鳴かぬなら それでいいじゃん ホトトギス」
と詠んで話題となった。ご先祖は苦笑しているのんと違うかな・・・。
「鳴かぬなら返品しましょう時鳥」(京男)
「鳴かぬならリコールしましょう時鳥」(京男)
「鳴かぬならメスと違うか時鳥」(京男)
↑紫野源水「一声」
「一声は月がないたかほととぎす」
三日月を横切って飛んでいったほととぎすを感覚的にあらわした菓子。
半月形の上に一点大徳寺納豆を透かして見せる。
↑羽二重餅製、白小豆こしあん、大徳寺納豆のせ
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