杖の嫁入り [風景・和菓子]
↑向かって左のカーボンの方がお嫁入りしました
杖を使わなくなってもう2ヶ月になる。
無いのは嬉しい、でもちょっと寂しい。
一本一本知恵と技術を結集しているからね。
↑もちろんスリッパも
一昨日3日は、京女の母親の誕生日だった。
私と同じ誕生日なので、ちょっと不思議な感じがする。
しかも京男と京女の結婚記念日でもある。
当然、自分のことより義母と京女にエネルギーを使ってしまう。
記念日を忘れないようにという下心が仇になっている感じやね。
でも最近、自分の誕生日なんてどうでもよくなってきた。
数回も死線を彷徨うと今日朝、目が覚めたことがめっけものと思う。
だから瞬間瞬間誕生日で命日と思うようになってきた。
世間では、大安吉日なんていうけど、そんなこと嘘っぱち。
毎日大安吉日なんです。
当たり前に息を吸い、食べ、出して、歩いて、愚痴をいう・・・それが幸せなことなんですよ。体験しないとわからないだろうけどね。
生きがいも死にがいも同じことだと思う。
なんて時々思う。いつも思っておれないのが三次元に生きる人間の悲しさ。
でも生きている。
↑屋内でなスリッパ着用
さて、義母へのプレゼントに私の杖コレクションをプレゼントすることにした。
カーボンで作った手製の杖が最適。
ちょっと厳ついけど、安定感は抜群。
普通の老人用の杖なんて脚物とにもよれない。
よくあんな頼りない杖を使っていると思う。
しかも石突きのゴムがすり減っている。あれは危ないのにね。
そういうのってデイケアの人はなんとかしてあげないのかな・・・。
転けたら大変なのにね。
↑本家玉壽軒「厄払い」
私の父親にも2本杖を渡しているけど、全然使ってくれない。
「オレは大丈夫!」と言う。
子供じゃないから、それ以上言えないのがちょっと残念だ。
義母の場合は、脳梗塞以来数年杖のお世話になっている。
だから、杖がないと困るので使ってくれるだろう。
↑私はこういう抽象的表現が好きかも
3日にお赤飯と生菓子とともにカーボンの杖を持参。
もちろん、ノコギリ・ホットガン・シュリンクフイルム・新しい石突きを持って行った。杖は杖袋にいれて持って歩いた。
杖を持って京都駅の雑踏を歩くととても安心感があった。
京都駅というところは、気もそぞろで歩いている人間が多すぎる。
いつ当たられるか、カバンをぶつけられるか油断ができない。
杖があると杖で避けられるのでとても便利なんですよ。
↑上用、黒こしあん
京女の実家について、義母の背丈に合わせてベストのサイズを慎重に測定(これが結構難しいのです。杖を使う状況にもよるしね)そしてノコギリでカーボンを切る。
カーボンってノコギリで切れるか心配だった。でも切れました!それからシュリングフイルムをはめて、ホットガンでシュリングフイルムを縮め、熱い間に先に折り込む。この手際が難しい。シュリングフイルムがないと石突きがスポット外れる危険性があるのです。
これで完成。
デイサービスに行ったらスタッフの注目を浴びるだろうな。
本物のカーボンを使った杖なんて普通の老人は持っていませんだろう。
↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをします。詳しい説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)
Twitter→@kyo_otoko
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