夜桜 [和菓子]
夕方、タクシーで木屋町を走るとまだ綺麗に咲いていた。
でもそろそろ終わりやね。
夜の桜は、どうも不気味に感じる。
人を狂わせる気みたいなものがあるかも。
坂口安吾の『桜の森の満開の下(さくらのもりのまんかいのした)』の影響かもしれない。
人がいるからそうも感じないけど、もし誰も人がいなかったら怖いと思う。
人の性(さが)と桜の精が夜という時と出会うとき、怖いものがわき出してくる。
夜桜をみているとそういう人間の性や業(ごう)みたいなものを引き出す妖気があるように思う。
そんな感じがするんです。
そんな気持ちになるのは私だけかな・・・。
↑末富「夜さくら」(黒糖羊羹)
それと梶井基次郎の『檸檬・ある心の風景』の本の中に「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている」という文章の影響もあるかも。
「死体」と違って「屍体」というのはなんだか怖いね。
それと夜に祇園あたりを歩くのもあまり好きじゃない。
魑魅魍魎、百鬼夜行の跋扈する陰の時だからかな。
そういう時と場で自分がなくなるほどお酒を飲む危険性を感じていないのかな。
無防備な人がいかに多いことか。
↑実際の桜より綺麗かも
↑美味しくいただきました
夜桜って本当は、ライトアップなんかしない方が雰囲気かもしれない。
満月に照らされた夜桜は、いいそうです。
いまは、なんでもライトアップ。
あれは、木を弱らせる。
地中に電気配線も良くないらしい。
でも社寺は、拝観料を稼ぐために夜間拝観を実施していますね。
やればやるほど、桜は弱る。
結局、元も子もなくなるでしょうね。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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