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冬土用の丑の日・・・鰻を食べよう! [食]

なんて書くと「?」でしょ。
先日、鰻を食べながら父親に話したら「??」だった。
父親は「土用」は、年に一度だと思っていた。

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「土用の丑の日に鰻を食べるといい」と言い出し、庶民に定着したのは、江戸時代の平賀源内が鰻屋の宣伝文句を書いたというのが有名ですね。
「本日土用の丑の日」と鰻屋の店頭に貼り紙をするといいと指導したらしい。そういうのが好きな江戸っ子は、当時でも高価だった鰻の蒲焼きを争って食べたのでしょう。

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↑うなぎ徳「名物お櫃うなぎ茶漬け」

それと同じような話に、同じく江戸時代の狂言師、大田南畝(蜀山人)が「神田屋」という鰻屋に頼まれて、「土用の丑の日に、鰻を食べたら病気にならない」という内容の狂言を作って宣伝したという話もあります。
いまのマスコミも似たりよったりのことをしていますね。

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↑うざく

「土用の丑の日に鰻を食べよう!」キャンペーンの原典が『万葉集』の時代にありました。万葉集に収められている大伴家持の歌の中に
「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」
「痩す痩すも 生けらばあらむを 将やはた 鰻(むなぎ)を漁ると 河に流れな」
なんて二首の歌がある。
夏痩せに効果がある食べものと食べるのを奨めている。
大伴さん、鰻屋さんに宣伝を依頼されはったんだろうか?
なら凄いことかも。

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↑たたき

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↑これは、京男の注文でした。

さて「土用」の話に戻ります。
「土用」というのは「日用」の前の日ではありません。
「土用」は、暦(こよみ・れき)の雑節の一つ。
暦というのは、時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように体系付けたもの。昔は、農耕が重要なことでした。だから「いつ種蒔きをするのあかな?」なんてことが重要になります。収穫したり、神様に感謝しらりする祭の日なんかも暦がないと困ります。

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↑肝焼、養殖鰻はちょっと怖いけど、身体がビタミンAを欲していたみたい。お子様モードの父親はこれは食べません。

昔の暦で「土用」というのは、一年に四つの期間のことをいいます。
四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日あるのです。
上記の鰻を食べる「土用」は、夏の土用で立秋の直前となる。
「丑の日」というのがある。これは、日にちを十二支の干支に当てはめているのです。一日の時刻も干支で表現する。「丑の刻」というと午前1時〜午前3時となる。
だから「土用の丑の日、丑の刻に鰻を食べると絶倫になる」なんてことも・・・。

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↑シャーベット

2018年土用
●冬土用/1月17日〜2月4日・・丑の日/1月21日・2月2日
●春土用/4月17日〜5月5日・・丑の日は無し、4月17日(己卯)「うの日」ということにしたらどうやろ?
●夏土用/7月20日〜8月7日・・丑の日/7月20日・8月1日
●冬土用/10月20日〜11月7日・・丑の日/10月24日・11月5日

鰻屋さん、こんなイベント企画はいかが?
こんなことを話ながら父親に鰻を食べさせておりました。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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善哉善哉 [甘味その他]

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↑梅香堂「ぜんざい」

1月15日は、小正月。
昔、元日(または元日から1月7日まで)を大正月と呼ばれていた。
この大正月は、年神や祖霊を迎える公の行事。
それに対し、小正月は豊作祈願などの農業に関連した行事や家庭的な行事が中心となる。本来は人日まで竈を休ませるはずの松の内に、忙しく働いた主婦をねぎらう意味で、女正月という地方もある。場所によっては男性が女性の代わりに料理などの家事を行う日とされる。
そういう意味では、年中小正月という家庭も多いのではないでしょうか?

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昔は、小豆のお粥さんやおぜんざいを食べていた。
この小豆粥は、平安時代からあったそうです。
小豆は、その赤い色とともに、「あずき」という音から、穢(けが)れを落とし身を清めて神に仕える「斎(いつき)」に通ずる名前ともいわれ、強い魔除けの意味をもっているのです。
節分の時の福豆も魔除けとして使われますね。
黒豆なんかも同じように魔除けになるのかな?
私は、最近、丹波黒豆の炒ったのにはまっています。
こういうのも穢(けが)れを落とし身を清めているのかな・・・。
それともポリフェノールが欲しいのかな・・・。

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本日の写真は、今熊野神社の左義長に行った後、近所の梅香堂に行き、ぜんざいを食べてみました。
私は、こういう店に一人で入り、食べます。
半年の一度ぐらい食べたくなる。
日頃は全然興味も起こらないけど。
穢(けが)れを落とし??

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本日20日は、「二十日正月」別名骨正月
お正月に食べた魚のあらを使った料理を食べることから、骨正月、または頭正月という。

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そして明日21日は「初弘法」、25日は「初天神」・・・。
こんなことを言っている間に今年も一ヶ月終わるのか。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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新装改本 [雑記]

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↑書店で見つけたら、真ん中の所へ移動させましょう!

なんかパチンコ屋みたいやね・・・。
実は、拙著『和菓子』が新装になって発売なんです。
私にも「本が売ってない!」「中古しかない!」と問い合わせがありました。
「今、増刷している最中なので、もう暫くお待ちください」と言ってました。
やっと22日ぐらいから書店の店頭に並ぶ予定。

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↑腰巻を外した・・・きゃぁ〜ん

本当は、中の写真を入れ替えたかったけど、そうもできませんでした。
この種の本で、増刷とか新装版は珍しいことなのかも。
これも皆様のおかげと感謝しております。

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もう少しすると中国語版もでます。
それと電子版も出る予定とのこと。
電子版は、いまとかなり構成が変わるでしょう。
これで四六時中本を持ち歩けるようになります。
どうしても甘い写真を持って歩きたい、生菓子マニアの人にお勧め。
乞うご期待!

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↑ナイフで二つに切ろうかと思いましたが、意味がないのでやめました。

なんか自分の専門外で本が一人歩きするのも変な感じです。
本業?の本じゃないのがどうも落ち着かない。
今年ぐらいから本業関係も書かないといけないな。
もっとも「何が本業?」と聞かれても・・・困るけど。(笑)

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↑千本玉寿軒「雪間の緑」

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↑黒糖風味のきんとんがしっとりして、とても美味しい。いまぐらいの時期の季節がよく表現されていますね。

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↑黒糖きんとん、白こしあん


和菓子

和菓子

  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。詳しい説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

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お下がり [社寺]

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左義長は、無事恵方の方角に倒れました。
神主さんによると昨年は失敗したのだそうです。
だから日本にさまざまな事件や不幸なことが起こったのかも・・・。
有名な神社でも殺人事件がありましたよね。
風水害も多かった。大根や白菜も高かった(まだ根に持っている心の狭い京男)しね。
でも今年はうまく左義長タワーが上手く恵方(南南東)に倒れた!
縄をつけてタイミング良く引くのですが、結構難しそうだった。
それってその人の技量であって占いとは関係ないかも・・・。
燃やすのに石油を使っていたとか、細かいことを言えば切りがない。
結果がよければすべて良し。

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燃えている間に、般若心経を唱和でした。
神主さんが般若心経を唱えるのは、説明で聞いてはいましたが、不思議な感じですね。
それから玉串奉奠(たまぐしほうてん)、奉奠とは「つつしんで供える」という意味。ただ、こんな時なので作法は適当でした。それでいいのだと思います。
気持ちですから。

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山伏さん「お加持」をしてくれます。
これは、加持祈祷の加持。
人間のエネルギー場を整える作業なんでしょうね。
気の滞っている場所を気合いで調整する作業。

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調子に乗って並んでいたら、御神酒が待っていた。
思わず杯を受け取ってしまった。

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御神酒がつがれた。
さて、どうする?
まあ、神前に供えてあったから大丈夫だとは思うけど・・・。
「ままよ」と飲んでしまった。
結果、倒れた・・・というのはなかった。
まあ、このぐらいなら大丈夫ということなのか?
それとも事前の「お加持」のお陰なのかな?
顔も赤くならず、頭を痛くならずにすみました。
だからと言って、毎晩晩酌という気分にならなかった。

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これが「お下がり」です。
神前に供えたお餅。
夜に焼き、美味しくいただきました。
ありがとうございました。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村 肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/01/26
  • メディア: 単行本


↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをします。詳しい説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

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左義長の炎 [社寺]

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さて、本日は、左義長の説明。
左義長(さぎちょう)は、どちらかというと神事の色合いが強くなる。
左義長は、「正月神事」の一つ、正月神事とはどういうことをするのか。
ここから先は、今熊野神社の宮司さんがお話になったことを要約します。
だから、歳徳神というのは出て来ません。
でも一年に一度、各々の家に神様がやってくるというのは共通です。

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正月神事は、「年神様」をお迎えするのが目的。
「年神様」は、祖先の霊をお迎えする。1月1日から14日まで祖先の霊をもてなす。14日が終わったら山へ帰っていただく。帰られた祖先の霊は、山の神となる。
山の神として、我々に水を配ってくれる。色んな動植物を育み、与えてくださる。つまり我々に幸せを与えてくれるのが山の神。
山へお帰りになる時、お正月のお飾りを燃納するのが左義長神事。

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年神様は、山へ帰ってしまうということなんだろうか?
各家庭にずっと神様が常駐じゃなく、場を整えるということなのかな?
神仏というのは、そういう役割なのかも。
われわれ、人間に神仏的な場を作るということかも。
でも人間は、この世に生きて居る。
切った貼った、良からぬことを考え、またする存在。
好きなようにさせておくと汚れてしまう。だから時々穢れを祓い、清める必要があるのかも。穢れているから同じような波長が近づいてくる。結果的に運命が悪くなったり、病気になったりするということなのかも。
なら山へ帰ってもいいのか。

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平安時代になり、嵯峨天皇と弘法大師空海が元々神道だった神事を仏教と習合した。
元旦から7日までは、神道でお祀りし、後半8日から14日までは、真言密教で年神さんをお祀りすることになった。だから宮中で神道と仏教で神事を行った。
明治時代になり、明治天皇が後半の仏教でのお祀りは、東寺でやるようにとなった。

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そのような事情で、今熊野神社では、神主が祝詞をあげ、修験の方に般若心経をとなえてもらっている。神主も一緒に般若心経を唱えるのは面白い風景ですよ。
そして着火し、玉串をあげる。

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その後、修験者がお加持をしてくれる。お加持というのは、気功治療みたいなものかな。各々の魔を祓いのけてくれている。

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もうひとつ左義長神事の特徴がある。
今年の「吉凶を占う」ということです。
具体的には、火の上がり方、煙の出方、倒れる時の方向・・・一番いいのは恵方・・・を見るのです。
昔なら陰陽師がそれを見て占う。
いま、ここに陰陽師はいない。
「どうするのか?」
「御神籤を引く」というのがそれにあたるそうです。
軽く神社の営業ですね。(笑)

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というような内容でした。
なるほどと思いました。
日本の習合はすごいですね。
他の国では、ここまで宗教同士が融合していません。

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↑火の回りのあまりの早さにビックリしました。火の元には注意しましょう!

この炎の中に顕れる仏さんは、不動明王なんだそうです。
なるほど、すべてを浄化してくれるのかな。

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神社も神事をこういう風に解説してもらえるとわかりやすい。
言いたいことを言う為、神社本庁から独立したのかも。
敷地をマンションや駐車場にするため、独立するよりまともかもしれません。

まだ、写真が残っているので明日に続きます。

和菓子

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  • 作者: 中村 肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/01/26
  • メディア: 単行本


↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをします。詳しい説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

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