玉串 [社寺]
さて、これで今熊神社の左義長の最後です。
これは「玉串(たまぐし)」、よう「玉串料」とかいう玉串。
一年中青々とした葉が茂り、神さまが宿るとされる榊の枝に、紙垂(しで)や麻を結び付けたものをいいます。
神前で「こんにちは、よろしゅうおたのもうします」と挨拶する時の印みたいなものです。
こんなんしはったことありますか?
神社で特別にご祈祷すると神様に挨拶というような意味で「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」をしますね。
結婚式やお宮参りや七五三、安産祈願、地鎮祭・・・なんかでやりますね。
私は、結婚式でやったかな?
やり方、わかりますか?
1.まず右手で、玉串の根元を上から持ちます。
2.つぎに、左手を葉先の下に添えます。
3.玉串を胸の高さに持ち、姿勢を整えます。葉先がやや高くなるように持ちましょう。
4.玉串を右へ回して、手前に根元を持ってきます。
5.「祈念」・・・「ありがとうございます」でいいでしょう。
6.そして所定の場所に根元を神様の方向に向けて置きます。
この後、左義長では、山伏さんが気合いをいれてくれました。
その後、御神酒とお下がり。
↑この後、暴れました・・・はないか。
ここで「あっ!アルコールアレルギー」と気付く。
この程度で倒れたらカッコ悪いですね。
まさか、バチはあたらんでしょう。
意識でアルコールを飛ばしました。
お下がりを受け取りお終い。
丁寧にされるのに頭が下がります。
お餅がこんなになっているのが今風ですね。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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点火 [社寺]
さて、いよいよ点火です。
この左義長、下のちょっとした穴の部分に火をいれる。
するとすごい勢いで火が拡がって行く。
写真を撮る余裕もないぐらい早い火の回り。
気が付くと、恵方「西南西」に強引に引っ張られた。
これでは、今年の吉凶もくそもない。
無理矢理の恵方ですね。
この火の回る仕掛けはすごいと思いました。
危なくないもの。
見事というしかない。
火の粉もあまり飛ばなかった。
まだ燃えている時、参加者全員が般若心経を唱えます。
もちろん宮司さんも。
世の中の本質は同じなんだろうからいいのだと思います。
神仏習合というのはうごいと思います。
炎を観ていると炎といっしょに自分の穢れも昇華するイメージがすんなり描けるのはちょっと嬉しい。
綺麗に焼き尽くしてくれ、身心があたたかくなりました。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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火とつける [社寺]
↑左にあるのが火付けセット
この間の左義長の時、火は火打石や火打金で火を起こし、火口(ほくち)を使っていた。最近の家庭では、あまりやらないだろう。
そういえば、ガスも電池式で火がつく。
だからこの左義長の時、山伏さんが火を付けるのが面白く観ていた。
時代劇でも火を付けるシーンはないものね。
出かける時、おかみさんが
↑これは、箒ではありません。
火口(ほくち)を使う。火打石や火打金でカチカチとやるシーンはある。
でも火を付けるシーンはない。
馴れたら早く火がつくものですね。
でもガスライターは、偉大な発明ですね。
着火剤なんてのもある。
小さい時は、よく火を使って遊んでいたのを思い出す。
マッチで火を付けるのが嬉しくて・・・。なんか危ない少年みたいだ。
ロウマッチというのも憧れのアイテムだった。
何かとすぐに焚き火をして焼き芋とか、鴨川でとった魚を焼いて食べていた。
小学校の時は、石炭ストーブだった。
新聞紙と薪で火をつけるのが日直の作業。
私は、石油を瓶にいれて持って行っていたな・・・。
でも火打石や火打金で火を起こしたことはない。
縄文式のやり方ではやったことがある。
レンズで太陽光を集めて・・・もやった。
左義長の時、最後に火がついた瞬間、「拍手を・・・」という神主さんの声。
思わず参列の人が拍手喝采だった。(笑)
みんなが観ているから、ライターを使えないですからね。
さて点火です。
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清め [社寺]
まだ新熊野神社の左義長の写真が続きます。
まだ数日点火までいきません。すんません。
神社の行事をみていると「清め」の作業が多いですね。
昔は、疫病が流行るのは「気枯れ・穢れ」が原因だと恐れられていた。
もうひたすら、自分自身のお清めをすることで、疫病や災難から守ろうとした。
清めるために、言葉、色、形、素材、所作を使う。
塩や形(正方形・黄金比)や言葉(祝詞)そして所作をする。
塩なんかは万能ですね。相撲なんかは、仕合前に塩を撒く。
商売の場合は、盛り塩をしたりする。
結界を張って、その内側に神様をご降臨させたりする。
左義長の場合、修験道的にも結界を張っていた。
神道と修験道が合体した結界作りでした。
本当は、陰陽師も来るといいのだろうけど、最近はあまり見かけませんね。陰陽師。
今回の修験道では、かなり簡略方式だったかも。
本当は、6の方向で結界をはらないといけないのですが・・・。
流派によって違うのかな?
もちろん、参加されている人の穢れも清められていました。
人間は、生きているだけで穢れるのだろうか?
まあ、欲望のままに生きているから仕方ないのかな?
各々が欲望や感情を完全に制御できているなら穢れないでしょう。
この制御の加減がものすごく難しいことなんだろう。
結果的に病気や不運になることが多い。
だから、病気や不運は、それを教えてくれているのかも。
なら「病気」や「不運」に感謝し、生活を正せば解決する?
インフルエンザが流行っているそうです。
ひょっとして手洗いやウガイより、自分の中の穢れを清めた方がいいのかも。
でも病院に行ったら、ドクターが「御札」や「お守り」をくれはったら、納得できないだろうなぁ・・・。
仏教的に考えると、穢れなんていいませんね。
この行事では、仏教のおっさんは、参加していません。
穢れについて、どう考えたはるんやろ?
葬式の後、「清めの塩」を配るとか、配らないという問題も昨今できています。
「死」を仏教では、穢れとみていないと思います。
だから「清めの塩」は不要なんだそうです。
単なるコスト削減だけなのかも。
これはようわかりません。
日本の仏教では、道教的、儒教的、ヒンズー教的なものが習合されていますからね。
もうわけがわからず、一つの体系のようになっている。
それに拝金教的な要素が色濃いですかれね。
だから宗教はあまりよく思われていないのかも。
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左義長 [社寺]
左義長(さぎちょう、三毬杖)とは、小正月に行われる火祭りの行事。
地方によっていろいろな呼び方がある。
ここ新熊野神社では「左義長神事」となっていた。
元旦の早朝に恵方から来られた歳徳神が各家庭で接待をうけ、15日に天にお帰りになる。その時、お正月飾りや御札、書き初めも燃やし、気枯れを祓う。
新熊野神社の場合は、神道、仏教、修験道、陰陽道で行うのが本来の姿とおっしゃっていた。日本独特の習合という考え方ですね。
さすがに、最後の陰陽道の陰陽師はおられないのか参加されていなかった。
「陰陽師の役割は、個人の吉凶が主なので、知りたい方は、お神籤を引いてください」とおっしゃっていたのが印象的。(笑)
習合という日本独特の考え方は、面白いと思う。
要するに事がうまく行けばいいのです。
そのために宗教に拘ってもしかたない。自由にやればいいのです。
この神事でその年の吉凶を占うのだそうです。
三毬杖とは?毬杖は、平安時代に流行った遊びの道具。ホッケーのような道具で遊ぶゲームらしいのです。その毬杖を三本組み合わせたようなものを竹で組、正月飾りや御札、書なんかをくっつけて行くのです。
↑書き初めに「痩」ってよほど困っているんだろうなぁ。
その組み立てた左義長・三毬杖に火を付ける。煙の出方、炎の勢いや方向、そして大切なのは、倒れる方向で吉凶を占うのです。2020年なら「西南西」になります。
最近は、自然に倒れるに任せるということができないようです。
係の人が引っ張って、いいほう→恵方に倒された。
あれはあれで難しいでしょう。
無理矢理でしたが、消防の関係もあるから仕方ないですね。
だから今年はいいかわるいかは分からない。
個々人の自助努力ということにしましょう。
新熊野神社の左義長は、15日の小正月と決まっているのが素晴しいことだと思います。他の神社は、日曜日にやってしまったりします。観光客が集まるとか、お手伝いの人が来やすいとかでね。
しかも宮司さんの説明がいつも素晴しい。とれも分かりやすく説明されていました。他の神社では、そんなことはしません。
↑箒ではありません。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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